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銭亀さんに借りた『ブレードランナー2049』のDVD、ぼくはもう10回は見てると思う。最初見たとき、これはリドリー・スコットの『ブレードランナー』とは全く比較できないエンターテイメントの映画だ・・・とぼくは思った。楽しめるんだけど、厚みがないと正直思った。
ところが、何かがぼくのココロに引っかかっていて、バックグラウンドムービーとしてその後も数回見ていたのだ。そして、特典映像の中におさめられてる3本の小編ムービーも見た。そしたら、一気にストーリーの厚みが増し、主人公のココロのざわめき等が感じられるようになったのだった。この3本は必見だと思う。特に日本人のワタナベ監督の作った2022年ブラックアウトのアニメは秀逸だと思った。
ぼくは敢えて言わせてもらうなら、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』と同じ種類のココロの震えを『ブレードランナー2049』で感じさせられた。
真冬の森の中、無風の凍てつきそうな湖面に一条の陽が射し、そこから湯気のような水蒸気が上がってるようなイメージ。
静かな哀しみと儚い希望。
人間とは何か。愛とは何か。感情とは何か。ぼくにそんな問を突きつけてくる映画だった。
悪人のような役回りをさせられてるレプリカントのラブにしても、彼女のココロの動きがとても切ない。自分の感情を制御し、理解できたとしたら、違った道を歩み、違った結末になったことだろう。
主人公のジョーの孤独と父親を求める気持ちがぼくのココロを揺さぶり、何度でも見たくなる、そんな映画の一つになった。
銭亀さん、観る機会をくれてありがとう!
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