■□
この仕事を始めて識ったことの一つは(お客さんを)待つのも仕事の一つということだった。これはぼくのお店のように、認知度が低く、わかりにくい場所に位置し、かつ、特定の人用の一般受けしない趣味の偏った店にはとても厳しく辛い仕事だと言える。
今週のように酷暑の季節は特に暇を持て余し気味になったりする。9年経とうとする今でもそれはオープン時と基本的には変わらない。
でもありがたいことも多々ある。
それはお客さんから様々な刺激を日々いただいてるということだ。
世の中、ぼくの知らないことだらけ。そんな無知、不勉強なぼくにお客さんがいろんな情報を与えてくれることだ。
今週もワックスペーパーを自作する方法を教えてもらい、暇な時間を利用してろうそくから細かな蝋を刻みアイロンで熱して試しに作ってみたりした。
もの作りは楽しい。
時間を忘れる。
また、ステーキ用の焼印を板に流用できないか試作したりもした。
これもお客さんと話していて思い付いたことが発端だった。
必ずしもうまくいくことばかりではないけれど、何でも試してみるのは楽しい。
カリンバもハッピバースデーの曲だけどうにか弾けるようになり昨日初めてお客さんの誕生祝いに演奏することができた。動画で録画すると言われて緊張し、途中で間違えてしまったけれど、これも経験の一つ、やっと第一歩を踏み出した感じだ。
このようにして、楽しさや興味を共有し、ぼくに刺激を与えてくれるお客さんの存在にいつもぼくは励まされているのだ。
今までどれくらい知らなかったことや、場所や、本や、作家や展示会や音楽等々をお客さんから教えてもらったことか。
本当にありがたいと感謝してやまない。
これからもどうかよろしくね。