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7年前に亡くなった父のことを最近よく思い出す。
ぼくと異なり無口でコツコツと何事においてもやり通す父だった。ぼくが有言実行タイプなら父は不言実行タイプそのものだった。
草取りもそんな父のおかげでぼくはやろうともせず、父にお礼の言葉さえ言わず任せっきりにしていた正真正銘の親不孝者だ。
今になって父のありがたさを噛み締め、父にすっかり甘えていたぼくのダメさを思い溜息するばかりだ。
GWの休業中のこと。
板塀塗装のためにローズマリーを抜いたことが契機となり、その流れで駐車場の草取りをしだしてからというもの、時間ができると草取りをしている自分に気がついた。
草取りに夢中になると頭の中が真っ白になる感じなのだ。
何も考えないで一心に雑草を器具を用いながら根っこごと引き抜く。特に根っこごとすっぽり抜けたときは格別だ。
何よりこの単純作業が心地よいのだ。
陽が傾き出した頃から、あっという間に3時間が過ぎたこともあった。午後7時を過ぎて暗くなり見えなくなるまで。
ぼくはふと父も同じだったのではないかと思った。
単純作業が苦手な人ももちろんいるだろう。でも逆に単純作業で心が凪ぎる人もいるはずだ。
ぼくは後者だ。そしておそらく父も。
現実逃避・・・なのかもしれないけど、誰かに迷惑をかけるものではないので良しとしよう。
この現実逃避作業のおかげで、駐車場は以前より広々とし、こざっぱりした感じがするのは手前味噌ではないと思いたい。
これから先、この状態をキープできるかどうかはわからないけど、少なくともぼくは草取りが嫌ではないことだけは自己認識できたし、父に感謝の気持ちを持てたことも悪くないと思ったのだった。
蛇足ながら、この草取りで一番の強敵はイシクラゲだ。雑草というより苔の一種みたいで生命力がとにかく凄まじい。晴れて乾燥すると黒く干からびたカットワカメみたいになり、あたかも死んだ状態になるのだけど、雨が降ると吸水して復活し緑っぽいふやけたワカメみたいに大きくなるのだ。さらに水分を含むと分裂して増殖するらしいのだ。そのため夥しい数のイシクラゲが湿気の多い土のあたりを中心に繁茂している。いくらとってもキリがなくて、これには本当に参っている。バーナーで焼いてやろうかとか、ケルヒャーの蒸気を当ててやろうかと考えたりもしているのだけど。因みにイシクラゲ専用の駆除剤があるのだけど10,000円以上するのでちょっと手が出ないし、この駆除剤を使っても完全に駆逐できる訳ではないらしいので尚更なのだ。