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30年ほど前のフランス映画。
存在は知ってたんだけど、昨夜『アキラ』の代わりに『ベティーブルー』を見た。
3時間。
見終わったら午前3時頃だった。
元祖かどうかはわからないけれど今でいうところのメンヘラ映画・・・なのかなぁ。
昔公開当時、猥褻な映像ということで10箇所ほど検閲でぼかしが入ったりカットされたりしたそうな。ぼくが見たのは、無修正完全版というものだった。
一体どこが猥褻なのかわからない。
そもそもが検閲者の主観による『猥褻』判定。時代は変わった。
主人公は二十歳のベティーかと思いきや、その彼氏の中年男性の方だった。少なくともぼくはそのように捉えた。
ぼく的には登場人物の描写が浅く、特に彼氏のゾルグが「え?!この人、小説書くような人だったの?」「ピアノが弾けるような人だったの?」と、かなり都合の良い設定で、説得力に欠けるように思えた。
ベティーもゾルグもいくつも犯罪を犯すのだけど、どれもそのことで塀の中に入ることもなく、ここでも御都合主義的に話は続いて行くように思えた。というかフランス警察の存在感無しだものね。
つまり突っ込みどころ満載な映画なわけだけれど、それでも3時間見させるのは、旬の役者と監督のエネルギーの発露が素晴らしいからなんだろうな。
映像的に美しい箇所がいくつもあり、それなりに楽しめた映画だった。
でも、敢えていうなら、とことん堕ちて行くストーリーなら、ぼくはレオス・カラックスの『ポーラX』の方がずっと好きだ。
ベディーブルーのラストは、いただけない。ぼくならゾルグが小説を書き終え、ベティーと同じ右目を拳銃で撃ち抜いて自殺する・・・とするかな。いきなり白猫がベティーの声で話しかけるなんて白けるよ。
最後に原題の「37.2度 午前」の方がかっこいいな。
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