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ぼくは自家焙煎珈琲店&ギャラリーを営みながら、一方でお客さんから多くの刺激と情報をいただいてる。
とてもありがたいことだ。
そしてさらにありがたいのは、たいていの場合、そんなお客さんはぼくの好みをわかってるので、ピンポイントでぼくのツボをついてくれることだ。
この沢田英男作品集もその一つだった。
そして、沢田英男さんの「おわりに」というあとがきの文章もぼくのこころを大いに動かしてくれた。
『形を壊すことで偶然をよびこみ、その偶然によって加わった要素におどろきや発見があったとき新しいものはできる・・・』
本当にそうだよなぁ~とぼくは思った。
人の技量だけでなく偶然をよびこめるものにこそぼくも魅かれるからだ。
そして締めの言葉もいいなぁ。
『小さいもの、か弱いもの、孤独のなかにこそ美はあると思うからです。』
興味あったら是非。
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おわりに
本書は直近2年間の作品を集めた、私にとって初めての作品集です。 それ以前の40年間の作品は含まれていません。 彫刻を志して以来、 行き先も分からずただただ右往左往してきましたが、40年物の右往左往は今、「かたわらに」というこの作品集になりました。
本書に収めた作品には、目や耳それに腕も足も具体的な形を持っていないものが多くあります。 最初は手も足も作りますが、手足を取ったり、 表面を荒らしたり、バーナーで焼いたりして、作った形をわざと壊す。 そうすることで見る人が自由に想像を広げられるあそびが生まれる。 その遊びを大切にしたい。 また壊すことで、 形の内側にある生命がよりいきいきと表現できる気がします。
新しいものを作るには発見が必要です。 知識や経験だけでは作れない。形を壊すことで偶然をよびこみ、その偶然によって加わった要素におどろきや発見があったとき新しいものはできると私は考えています。
小さい彫刻ばかり作っています。 美術館に収まるものでもなく、街の大きなモニュメントでもない。 部屋に置いたり、ときには旅にも連れていける。 そんなかたわらに置ける彫刻もあっていい。 小さいもの、か弱いもの、孤独のなかにこそ美はあると思うからです。
(2021年2月 / 沢田英男)
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