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ぼくがちびっ子の頃から高校生まで瀬戸川は黄土色の水で覆われていた。
とても川魚や鷺とかが成育できる環境ではなかった。
陶器工場から垂れ流される陶土の混じった廃水やら生活廃水がそのままドブ川に流れ、それが瀬戸川に集約されていった。
そんなお世辞にも環境に配慮された川ではなかった。
しかし、逆に言えば、瀬戸はその頃までかろうじてセトモノを主産業とした街だった。
今日、瀬戸蔵とパルティー瀬戸の観光案内所 に12月グループ展のチラシを置いてもらいに行った時、ふと瀬戸川の遊歩道に降りてみることにした。考えてみれば、これが初めてだった。
川には白鷺がいて、水の中にも魚影を確認できた。
清流には程遠いものの、どこにでもある普通の川に瀬戸川は変わっていた。
それはこの街の主産業の変化、そのものを象徴していた。
改めて思ったのは、変化とは一旦起きたら誰も止めることができないということ。半世紀もあれば一変してしまうものなのだ。
変化に対応する柔軟性を求められるけど、せめてぼくの周りの小さな世界では、敢えて変わらぬものを求め続けたい、そう思うのだった。
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