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ぼくは密かに不安を覚えていた。
もし自分の子ども(と言っても二人とも三十代だけど)が前回の参院選で九百万票を獲得して躍進した政党を支持していたら・・・と言う不安だった。
正直言って友人であの政党を支持していると知ったら、ぼくはその友人と友人関係を維持できない。それが誰であっても、どんな関係であってもだ。
ぼくは人を個々人のありようで判断する。
人種、性別、社会的ステータス、学歴等々のレッテルは関係ない。
どこの国にも民族にも素晴らしい人はいるし、その逆もいる。
躊躇なく十把一絡げにする人をぼくは信用しない。
ぼくは自分の子どもに訊かれない限り自分の考えを述べることはなかったと思う。少なくとも政治的な自分の考えを押し付けることをした記憶がない。逆に言えば、ぼくは親的なことをほとんどしてこなかったというわけだ。
それもあって、ぼくの不安は少しずつ膨らんでいたのだ。
結果的にその不安は解消された。
自民党支持だとしてもまだあれよりはマシだと思っていた。
それがぼくが今現在支持しているのと同じだったのだ。
とにかくホッとしたし、とても嬉しかった。
嬉しすぎて、車を運転しながらも『嬉しいなぁ〜!』とひとりごとを連発したほどだった。
単純すぎるかもしれないけど、これが少し前に嬉しかったことだ。
そして、今日自民党初の女性総裁が決まったらしい。もちろんどの候補も器が軽かったり、小さかったり、いびつだったりと人材の乏しさを露呈していたわけだけど、極右と言われる人を押し上げるとは。
願わくば、この苦肉の賭けが功を奏すどころか、墓穴を掘ることになりますように。
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