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午前中やる気がしなくてゴロゴロしていたのだけど、急に思い立ってエアコンの掃除を始めた。埃とカビで真っ黒なファンをとりあえず処理しおえたところで、また急に思い立って松坂屋美術館で開催中のエドワード・ゴーリー展に行くことにした。
エアコンの方はまだフィルターを掃除してなかったけれど、午後2時を過ぎていたのでそのまま放置して栄に向かった。明日は祝日で混むだろうし、来週になったら春休みになって街自体が混んでかなわないと思ったからだ。
ぼくは基本的に目的のものに直行し、それを終えたら直帰する。それはモノを購入しに行くときもそうだし、美術館やギャラリーに行くときもそうだ。極力寄り道をしないし、ウインドウショッピングもしない。ぼくの歩幅は広いのでその分、歩く速度も速い。人混みが大の苦手だから、少しでも早くそこから脱出したいからなおさらだ。
そんな性格?性向?のため、他の人と一緒に美術館等に行くのは正直気を遣う。気を遣ってもその甲斐なく、同伴者は自分をそっちのけにされたと思うことも多いだろう。申し訳ないことだ。せっかちなぼくの傾向は歳を重ねても薄れるどころかより顕著になってる気もする。
誘ってもらう時は、相手のスケジュールにすべて任せる覚悟ができてOKしてるので、多少はせっかちさが軽減しているはずだと思うのだけど。。。
さて本題。
栄近辺で最安の立体駐車場にすんなり駐車でき(さすが平日!)、そこから徒歩での往復と鑑賞も含め55分、200円の駐車代金で済んだ。
ゴーリーの作品はペン画なのでぼくには正直言って原画の良さがよくわからなかった。油絵のようにマチエールがあるわけでもないから、仮に印刷物を展示してあってもぼくには原画と区別ができないだろうと思った。
でもこの展示で一つ新たに知ったことはゴーリーがハーバード大出身のインテリだということだった。実は意外だったけれど、彼の緻密で几帳面な線の重なりによる作品群を見ると逆に腑に落ちるような気もした。それにゴーリーの真骨頂はかわいいではなく、ダークなストーリーと絵の微妙な均衡の上に成り立っているからだ。計算され、理知的であるわけだ。
このゴーリーの巡回展を見たかったもう一つの理由は人形作家のAGUちゃんの人形が一緒に巡回展示されているからだった。先日もAGUちゃんからこの展示のことを記した手紙をもらい、その人形がどのあたりに展示されてるかを教えてもらっていた。
それはカーペットがかけられて足しか見えない人形で机の下に位置していた。気づかない人も少なくないのではないかと思う。
ぼくは警備してるスタッフの女性にカーペットをはずして見ていいのか訊いたけれど、もちろんそれは不可だった。ゴーリーの作品にもあるようにカーペットがかぶさって足しか見えないという作品だからだ。でもAGUちゃんのことだから実際はすべてできた完品の人形じゃないかとぼくは思ってる。
その真偽はまたAGUちゃんにいつか訊いてみよう。
*左は図録、右はチラシ。